このブロックはスマートフォンの画面サイズで非表示設定になっています
公開ページで表示したい場合は「ブロックの設定」から変更してください

外壁タイルは”浮き”ます。

マンションの外壁にタイル張りを採用することは、今や一般的になっています。これにより、コンクリート躯体が大気に直接触れることがなくなり、耐久性の向上など、さまざまな良い効果をもたらしています。 一方で、タイル張りには経年劣化による「浮き」や「ひび割れ」などが発生しやすいという側面もあり、多くのマンションでこれらの問題が顕在化しています。 このような状態を放置すると、タイルが剥落し、落下事故につながるおそれがあり、場合によっては人命に関わる重大な事態となることもあります。 そのため、政令指定都市や都道府県などの特定行政庁からは、3年ごとに実施が義務付けられている「特定建築物定期報告」において、外壁タイルの打診調査が指定されています。 特に、築10年を超えるマンションについては、外壁全面にわたる打診調査が義務付けられており、これはそれだけ「浮き」などの症状が多く発生している実態を反映した制度だと言えるでしょう。

見積のカギは工事単価より仕上数量。

大規模修繕工事の見積は、「工事単価 × 仕上数量」によって算出されます。 工事単価については、他案件との比較が可能なため一定の参考になりますが、仕上数量は各マンションごとに固有であり、単純な比較はできません。 仕上数量の算出は、竣工図に記載された情報を「場所」「部位」「仕上げの種類」などに分類し、それぞれに対して「面積」「長さ」「個数」などの数量を拾い出すという、地道な作業によって行われます。 しかし、この作業にはどうしても担当者ごとのバラつきが生じやすく、結果は十人十色となるのが実情です。ある程度のバラつきは誤差の範囲として許容されますが、恣意的に数値を操作することは不誠実な行為であり、あってはなりません。 このような積算精度を高めることこそが、適正な工事見積の作成に直結するのです。当事務所は、必ず図面を作成し、積算精度の向上に努めています。

下地調査は施工会社がした方が確実。

マンションの大規模修繕では、塗装や防水といった工事が主に取り上げられますが、実はそれらの仕上げの土台となる「コンクリートの補修」が非常に重要です。 この補修工事は「下地補修工事」として内訳書に計上されますが、その金額の根拠となる情報は竣工図には記載されていません。そのため、設計段階では設計者による事前調査によって、劣化箇所や数量が拾い上げられます。 ただし、これらはあくまでも概算であり、工事着工時には再調査が行われ、内容が修正されるのが一般的です。調査結果が変われば、当然、工事金額にも影響が及び、補修費用の精算が発生します。 大規模修繕工事において厄介なのは、この「後日発生する精算額」であり、それを左右する事前調査のあり方が、非常に重要なポイントとなるのです。当事務所では、独自の方法で「後日発生する精算額」の軽減に努めています。

長期修繕計画を正しく運用するために。

マンションの長期修繕計画は、将来の修繕費を並べただけの一覧表ではありません。 それは 住環境と資産価値を守るための“運営ツール”であり、管理組合が未来を判断するための重要な基盤です。 当事務所では、長期修繕計画を「作って終わりの書類」ではなく、「マンション運営の中心にある“経営資料”」と捉えています。 

■ 1. 長期修繕計画は現状確認が重要です。
マンションの状況は毎年変化します。 修繕履歴、劣化状況、工事実施状況などを確認し、現在の建物状況と計画が一致しているか把握することが重要です。
■ 2. 主役は管理組合です。
長期修繕計画は、管理組合自身が運用するものです。 計画を理解し、予算・積立金・大規模修繕・合意形成へ活かしてこそ、マンションの将来に力を発揮します。
■ 3. 積立金を抑えるための計画ではありません。
長期修繕計画は、必要な修繕・周期・予算を整理し、必要な積立金を“見える化”するものです。 現実を把握し、それに見合う判断を行うための計画だと考えています。
■ 4. 誰が作っても同じではありません。
調査・分析・経験・判断によって、計画の精度は大きく変わります。 修繕周期、劣化判断、数量、実勢価格、修繕履歴の把握が、将来コストに直結します。
■ 5. “運用する文化”が資産価値を守ります。
長期修繕計画は、「運用し続ける」ことが重要です。 常に活用し、必要に応じて更新しながら、早めに修繕を議論する。 その積み重ねが、安心して住み続けられるマンションにつながります。